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水星を星空案内するなら何を、どう語る?

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水星を星空案内するなら何を、どう語る?

水星を星空案内するなら何を、どう語る?

2025/02/18

星空案内において水星を、どう語りますか?

 

水星の話をするときには、「基本情報」「観察・探査の難しさ」「神話」という3つのトピックに分けて考えています。それぞれのトピックについて、話すためのポイントをまとめました。

1:水星の基本情報

まず基本情報を押さえておきたいですね。

 

水星は太陽系の中で、最も太陽に近い最小の惑星です。木星や土星の衛星(ガニメデやタイタン)のほうが大きいぐらい小さな惑星です。地球と同じ岩石惑星ですが、サイズが小さいイコール重力も弱いために、大気をほとんど保持できないそうです。

 

「温室効果ガス」という言葉がある通り、大気は熱をとどめておくことができます。そんな大気がないと、昼間は灼熱でも、夜は熱が逃げてしまい温度が急激に下がります。

(金星は逆に二酸化炭素がたくさんあるので、昼夜の温度がほぼ一定になるそう)

 

最高気温は約427℃で業務用のオーブンぐらい、最低気温は約-173℃なので液体窒素ぐらいでしょうか。
温度差がもはや意味不明。

 

水星の大地の過酷さを物語っており、地球の探査機やロボットなどが行けたとしても耐久性に問題が生じると思います。オーブンに入れて、液体窒素に漬けるのを繰り返すとか無理でしょ・・・

 

ちなみに、一番熱い惑星は水星ではなく金星です。

濃い二酸化炭素の影響です。

 

水星の基本情報を語る時に使うネタとしては、自転と公転の話が多いでしょうか。

公転周期が88日でとてもスピードが速く、自転周期は59日とゆっくり。それが地球での感覚と全然変わるので、「水星で太陽がのぼってから、次の太陽が昇るまで176日かかるよ」と言われても全くもってピンときません。

 

プラネタリウムソフトで水星視点ができると説明できそうで良いなと思います。イメージが付きにくいものなので、説明に入れるか悩みどころです。

2:水星は、観測も探査も難しい

距離的には近い水星ですが、観測は難しいです。

 

見つけやすさでいうとこんな感じ?

金星 > 木星 > 火星 > 土星 >>> 水星 >>(超えられない壁)>> 天王星 > 海王星

 

太陽に近い水星は、地球から見ても太陽の近くに位置します。太陽をおいかけるようにすぐに沈んだり、地平線に上ってきても、すぐに太陽が出てきて明るさにかき消されてしまいます。

 

見えたとしても高度が低く、空も真夜中のように暗さがありません。見つけづらい。

空が開けた場所と双眼鏡が必要です

 

さらに、探査も難しい。これもまた太陽からの近さによるものです。

 

太陽から近い分、太陽の強い引力と戦いながら、重力が小さく不安定な軌道の水星の周回軌道を捕まえるのは至難の業。太陽の引力に対して「減速」するエネルギーが相当大きいそうです。(大気がないから、パラシュートも使えないと思う)

 

「時間がかかる」ということを無視したら、海王星より水星に行くほうが難易度が高いともいわれるそうです。そういったこともあり、水星への探査はとても少ない。

 

NASAのマリナー10号、メッセンジャーという探査機。水星周回軌道に投入できたのはメッセンジャーのみだそう。あとはヨーロッパと日本の合同プロジェクトであるベピ・コロンボ計画。

 

ヨーロッパと日本の探査機2機が一緒に水星に向かっており、2026年に水星に到着する予定だそう。日本側の探査機の名前は「みお」。名前かわいい。

 

水星磁気圏探査機「みお」特設サイト

 

水星は思っている以上に未知の星であることを、観測と探査の難しさの両面から伝えることができそう。図鑑の太陽系の図からは、読み取れない部分でもあるので語り甲斐があります。

3:神話や西洋占星術の視点を考える

星座の話をするときは、神話を絡めることが多いと思います。

惑星にも神様があてがわれています。

 

ギリシア神話だとヘルメス(Hermes)、ローマ神話だとメルクリウス(Mercurius)で英語のMercuryの語源になっていますね。同一視されてるようで、商業の神様であるところも共通していますね。

 

ヘルメスはゼウスとプレイアデスの一員であるマイアの子供で、神様の伝令使であったり、知恵や俊敏を象徴する存在だったとか。俊敏さは、水星の空での見え方に影響するのでしょうか。
その当時は知らなかった公転の速さも共通してしまうところが、面白いですね。

 

西洋占星術において、水星は知性、コミュニケーション、情報の伝達を象徴する惑星だそうですが、知恵や俊敏さもそうですが、商いに大事な素養ばかりなので、そういう繋がりってやっぱりあるのかなあと思います。

 

調べると旅・盗賊の神様とも書いてます。

 

盗賊の神様???

そういうのに神様必要???

 

神話って子供向けにしにくいこと多いです。。。

まとめ

水星って近くにいるのに、謎が多い感じがミステリアスで好奇心を刺激しやすい天体。私がガイドするときは「近いのに難しい」という部分に焦点を当てるかなと思います。

 

火星は約60機、金星には約40機ほど探査機を送り込んでいるそうです。(成功・失敗を含めて)それを考えると以下に水星探査が計画されないかよくわかります。
観望会で観測できたとしたら、その難しさを伝えつつ探査もまた難しくて、大変なんだよということを伝え、「みお」の存在を教えてあげられたら良いなと思います。

 

あなたは、どうですか。

何を伝えたい?

何を知りたい?
 

 

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ブログ記事の執筆担当:伊藤うらら(WhitePiece代表/星のソムリエ)

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