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土星の語り方、土星の沼り方

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土星の語り方、土星の沼り方

土星の語り方、土星の沼り方

2025/03/04

星空案内人スキルアップコミュニティ「#StarGuideLabo」の定例会を開催しました。お題は「土星を語るなら何語る?」でした。

 

観望会などで、どんな視点でお客様に土星を説明するのか、案内するのかをシェアしました。その後、平塚市博物館の学芸員である塚田健さんにもご参加いただき、土星についてさらに深堀しました。

 

その時の議事録です。
(ラボメンバーにはzoomアーカイブ動画をシェアしています)

土星語るなら何語る?

まずは、各メンバーに土星についてどんなことを語るのか伺いました。

 

望遠鏡で土星を見せながらの場合、大きさ・体積という本体の情報と共に、環の成分や薄さを説明する人が多かったです。見てもらうことに焦点を当てていることもあり、見た目について説明することが多いように感じました。

 

科学館や天文台レベルの口径の大きな望遠鏡がある場合は、衛星まで見られる場合があるそうです。その場合は、衛星の情報も追加していました。

 

土星の模型をみせながら傾きを説明するのは良いなと思います。傾きが変化していくことを分かりやすく解説できてるなあと思います。

土星の模型にはこちらのライトが良さそうです。

 → Amazonリンク

人によって「土星の傾きのイメージが違うのでは?」という話がでて、新たな視点でした。

土星の傾きイメージアンケートを観望会でやったら面白そうです。

 

スクリーンを使っての解説をされる方は、木星と土星をセットでさらっと紹介したり、エンケラドゥスには生物がいるかも!!ということを説明するそうです。

 

ワクワク感を重視している方は、エンケラドゥスのお話でワクワクしてもらうと仰っていました。地球外生命の存在する可能性があるのは、木星の衛星「エウロパ」と土星の衛星「エンケラドゥス」あと、火星も言われていますね。見つかるのが楽しみ。

 

参加者のイマジネーションが膨らむようなワクワクを提供できるって素晴らしいと思います。

2025年 土星の環の消失

天文・星空・宇宙の情報には際限がありません。資格を取るための情報だけでは足りなくなってきます。なんでも知っているように見えて、知らないことも、理解できていないことも多い。
それを自覚し、インプットしていくことはとても大切。

 

2025年における天文現象でフューチャーされるのが「土星の環の消失」
その現象について、塚田さんに教えていただきました。

 

地球から見て、土星の環が一直線になるのが3月24日
角度0で本当にまっすぐになる日です。ですが、この日の土星は、お昼間に出ていて太陽より先に沈みます。つまり、せっかくの環の消失が見れない(しくしく)

 

次のチャンスは5月7日。この日は環の角度はズレていますが、太陽が土星の環を真横から照らしている日です。これも線のように細く見えます。とはいえ、土星本体からの照り返しで多少は環全体が照らされると思いますが、どういう見え方するのか楽しみですね。

この日の土星は夜明け前に東の空に見えます。朝4時ぐらいなので起きれるだろうか。。。

 

さらにあと1回秋にチャンスがあります。それが11月25日です。こちらは3月と同じく、地球から見て環が一直線になる日。3月は0度でしたが、この日は少し角度があります。それでも0.4度なのでほぼ0でも良いでしょうってぐらい。

この日は19時に天頂にいるので、観望好機です。

 

名古屋市立科学館の資料を見ながら、情報を共有しました。
 → 名古屋市立科学館のサイト

 

みんなで話していると「このサイトが分かりやすい」という情報を知ることができるのが、コミュニティの強みですね。私は情報が多すぎて迷子になりやすいです。

土星は衛星を知ると沼落ちする

定例会がすすみ、話がマニアックになってきました。

 

土星はガス惑星で、木星ほどの縞模様はなくても強風であることや、成分の話などたくさんあります。でも本当に興味深いのは「環と衛星」だということを知りました。


衛星は146個ほど発見されていて、丸い形をしているものは7個。あとは様々な形をしているそうです。

ヒペリオン

不思議な形の筆頭格はヒペリオン。スポンジ状というか、今までイメージしていたクレーターよりも深く、滑っているような感じの場所も見受けられます。

この衛星が氷を主成分として柔らかい影響かもしれないそうです。見ればみるほど不思議な形。。。

パン

空飛ぶ円盤のように見えるこの形は、赤道上に粒子が降り積もったからだそうです。土星も環と本体の間は空間ではなく、見えないだけで氷や塵がたくさんあるそうです(環の氷が降り注いでいるとも言われる)

それを知り、パンってミニチュア土星っぽく感じました。

イアペトゥス

これは土星からかなり離れた場所にあるのですが、黒い部分があります。これは、フェーベリングという赤外線でしか見えない土星の環の1つの軌道と重なる時に、付着したそうです。

黒い部分だけがフェーベリングと接していたことが分かるのが面白いですね。

フェーベリング

大きさは水星軌道よりちょっと小さいぐらい。水星軌道サイズもすっぽり衛星軌道になりますよっていうこと自体が、太陽からの土星の距離がいかに遠いかを物語っています。それだけ、太陽系のスケールは図鑑では表せないほど大きいということなんだなと思います。

まとめ

土星は惑星の中でも人気の星。お仲間が何を伝えているのかシェアができて良かったです。

 

三人寄れば文殊の知恵とはいいますが、土星ひとつ案内するのでも様々ですね。でも皆さん一貫しているのが「お客さんへの情報は最小限(詰め込まない)」「わくわくしてもらうこと」だったように思います。

 

そして、ビジュアルだけじゃない土星の魅力を教えてもらい、さらに沼ってしまいました。衛星の話は本当に興味深かったです。

 

「専門家に話を聞く価値」というのは、情報をインプットするだけでは感じることのない「へえ~!すごい!」が、芋づる式に湧いてくるところだと思います。

これこそが好奇心を刺激するということなんだと、改めて感じました。

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🌙 White Piece since2024 

ブログ記事の執筆担当:伊藤うらら(WhitePiece代表/星のソムリエ)

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北神戸を中心に、天体観望会、ロケット教室などを企画・運営・講師をしています。
これまでに、のべ2000人超の方々に星や宇宙を楽しんでもらっています。

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