宇宙開発は「ロケット」だけじゃない。Blue OriginとAmazonから見る宇宙産業の現在地
2026/09/18
火星は探査機を送り込むだけの時代から、インフラを整え、社会を構築するフェーズに入ってきた気がする。
先日、NASAが火星通信ネットワーク事業者にBlue Originを選定したというニュースがあった。これまでは、自分の仕事を持っている探査機が通信の中継も担っていた。それが今回、通信を主な役割とする専用の衛星が火星に送られる。地球のように通信インフラを整備して、情報の受け渡しをスムーズにする。それは、火星に人類を送り込むための大事な下地づくりなのだろうと思う。
宇宙開発といえば、SpaceXがとても目立つ。ロケットを量産し、安全に打ち上げている。そして通信網を盤石なものにするためのスターリンク衛星もSpaceXだ。スターリンクという言葉は、auやSoftBankの宣伝で耳にする人も多いだろう。
それだけSpaceXの存在は大きく見えるし、一強なのかな?とまで感じてしまう。でも、宇宙開発の市場はそうでもない。しっかり他の企業も成長している。
Blue Originは、Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスが設立した宇宙企業。SpaceXと同じくロケットを開発している民間企業だ。
そして、一般の人を宇宙まで運ぶ有人飛行も実現している。ロケットだけでなく、通信ネットワークを設計・開発・運用する能力があるとNASAから評価されている。
私の中でBlue Originという企業の存在に驚き、好奇心が刺激された。
Amazonから商品を買う人は多いだろう。そして、Amazonはそのための物流の流れも構築している。そしてもの以外にもさまざまな事業を手掛けている。
AWSという情報を処理するためのインフラ、Amazon Leoとよばれる通信網の事業もある。Amazon Leoはスターリンクに近い感じで、地球上のどこにいてもインターネットを届けることを目指している人工衛星によるネットワーク網だ。
NTTドコモビジネスがAmazon Leoを日本で提供するための契約を結んだ。これから存在感が増していくと思う。
Amazonは物だけじゃなく、情報も運んでいる。見える物・見えない物さまざまな「物流」を手掛けているように、私には見える。
Blue OriginはAmazonとは別会社だが、創業者が同じで、目指しているものはよく似ている。地上でモノとデータを運ぶ仕組みを作った人が、宇宙でも同じことをやろうとしている。ロケット、月着陸船、そして通信。ベゾスが押さえにいっているのは、いつも「運ぶ」インフラに見える。
Blue Originの動向も、Amazonの通信事業もウォッチしていくと宇宙産業の進む道筋が見えて来るかもしれない。

